|
大勢の前でスピーチしたり、初対面の人と話したりするとき、緊張して不安になることは誰もが経験することです。
しかし、このような状況を恐れるあまり、それを避けようと学校や職場に行けなくなるなど日々の生活に支障が出るような場合は、社会不安障害を疑ってみる必要があります。
◎どのような病気でしょうか
日本で「対人恐怖症」「あがり症」と呼ばれていた大部分がこの病気にあたります。初対面の人との対話、人前でスピーチしたり文字を書いたりといった、人の注目を浴びる状況を過度に不安に感じたり、顔が真っ赤になる、脈が速くなり息苦しくなる、めまいや吐き気、汗をかくなどの自律神経症状が現れます。そのような状況を避けようと学校や職場を休むなど、日常生活に支障がでるような場合は、「社会不安障害」が疑われます。多くは思春期から成人早期に現れますが、単なる恥ずかしがりやの性格と思って我慢し、何年も悩んだ末にやっと医療にかかるケースも少なくありません。
◎どのような治療をするのでしょうか。
この病気には、薬物療法と精神療法が並行して行なわれます。原因の一つに脳内セロトニン系のバランス異常が指摘されており、最近は抗不安薬やβ遮断薬の他、SSRI(選択的セロトニン取込阻害剤)が多く使用されています。
精神療法としては、不安や緊張を感じる思考過程を修正する認知療法や、不安が生じる状況に段階的に自らを直面させ、少しずつ慣らしていく行動療法などがあります。
いずれにしても、病状に合わせて薬物療法と精神療法をうまく組み合わせることが大切です。 |